熱絶縁とは産業分野において、熱エネルギーが無駄に逃げたり、逆に入ってきたりすることによるロスを抑え、エネルギーを効率よく利用するための断熱・保温・保冷・防露等の処置と定義されます。プラント設備などの保温・断熱を行うことでエネルギーを最大限活用でき、省エネやコスト削減など様々なメリットを生み出します。
熱絶縁工事の種類
保温
およそ1000℃以下の配管やタンクなどに保温材を取り付け、熱放射を防ぐ工事です。温度変化を防ぐことで、エネルギーロスを減らし、高効率化や省エネに役立ちます。また周辺の機器への熱伝達を防ぎ、設備の耐久性も向上します。
保冷
低温、超低温、低温流体配管などに保冷剤を取り付ける工事です。結露や凍結を防ぎ、機器の耐久性向上にも繋がります。保温と違い、温度や配管内の流体の種類により施工方法も異なり、専門的な知識が必要です。
耐火被覆
化学工場などのプラント設備火災の被害を最小限に食い止め、二次災害から守るためにプラント設備構造体(架構・ラック等)の耐火被覆工事を行っています。
防音
防音とは吸音、遮音、防振等の総称。プラント屋外防音壁や空調等のダクト、エルボ、チャンバ等の消音内貼りは音を吸収して小さくすると同時に、保温効果も目的としているため、熱絶縁施工の範囲にも含まれています。
板金
熱絶縁をしたものに板金工事を施す「ラッキング」と言われる工事です。素材の耐候性や耐紫外線性などの向上につながります。ただ覆えば良いというものでは無く、施工する物件及び周囲の条件等を考慮し、適切な材料を選定しなければなりません。また、高い板金技術で見た目にも美しい施工は、耐久性アップにも貢献します。